故人が望んだ家族葬を執り行うための説得

亡くなった本人から生前に、「家族葬、戒名なし、お墓なしにして欲しい」と聞いていました。
直接の遺族である私たちは、もちろんこの願いを叶えようと思っていました。
しかし、聞きつけてきた、親類縁者たちが、この本人の希望したスタイルで執り行うことに猛烈に反対して、あれこれと口を挟み、本当に近親の者たちだけのはずなのに、行いにくかったのでした。

家族を代表して、喪主ではありませんでしたが私がその文句をいう一人一人と直談判していきました。
本来なら喪主が話すべきことでしょうが、喪主はすでに精神的にいっぱいいっぱいの状況でしたので、葬儀の実行にかかることに集中してもらい、盾代わりに私が話をつけることにしたのです。何よりそれが故人の希望であり、その希望を叶えないことは、個人に対する供養にはならず、あくまでも供養と思って理解してほしいと、誠心誠意話しました。

正直、中途半端な人々がこういうことを言ってきます。本来から気持ちがある人なら、慎むでしょうし、どうしても旧来の形にこだわる人には、「では逆にあなたが望むような城東にある斎場での葬儀を遺族が出してくれなかったら、あなたは草葉の影からどんな思いでその葬儀をご覧になるでしょう。」と相手の立場に立って考えてもらうよう導くのが有効でしょう。